2021年12月10日
<お知らせ>ウィンドウディスプレイを「新春」に更新しました
初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す
ディスプレイに添えた和歌は、新元号・令和の由来となった万葉集「梅花の歌」です。
□現代語訳
時あたかも、新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香のごとき香りを漂わせている
情景が浮かんできましたでしょうか ?
作者は諸説ありますが、飛鳥時代から奈良時代にかけて活躍した歌人「大伴旅人(おおとものたびと)」といわれています。旅人の家で梅の花を鑑賞する宴で詠まれた歌で、梅の開花による春の訪れや、梅の美しさと香りの良さを表現しているのが特徴的な歌といえます。
■伊勢白粉の歴史
伊勢白粉の製造は古く歴史にあります。
伊勢国射和いざわ(三重県松阪市)付近で作られていた白粉は、上等品とされ、伊勢の特産物として全国に知られていました。
「梅が、鏡の前の白粉のように白く咲いている」と、新春を彩る梅にも例えられるほど、白粉(おしろい)は、古くから化粧に欠かせないものだったことがこの和歌からも読みとれますね。